このブログを読んでいるという事は、20代でタクシードライバーへの転職を考えている方でしょうか?
それなら、是非読んでいってください。
20代でタクシードライバーをやってはいけない理由を5つの項目に分けてお話ししますので。
いつでもなれるから
1つ目の理由としては、いつでもなれるからです。
タクシーという仕事は健康な身体さえあればいつでもなることが出来ます。
これは偏見でも蔑みでもなく、事実です。
もちろん、2種免許や地理試験などに合格する必要はありますが、それらは約1か月で取得する事が出来ますし、60歳からでも取れる資格です。(大阪の場合)
普通に勉強して受ければ、「2種免許が取れなかったからタクシードライバーになれなかった・・・」なんて事にはまずなりませんので安心してください。
実際に60歳を過ぎて2種免許を取得し、タクシードライバーになる人も数多くいます。
そんな、いつでも誰でもなれる仕事に20代という成長著しい黄金時代を捧げるのはもったいないと思いませんか?
もう一度今の仕事、あるいは別の仕事を検討してみても良いのではないでしょうか?
タクシードライバーには40歳、50歳、60歳になってもなることができます。
成長がないから
2つ目の理由としては、成長がないからです。
タクシードライバーの仕事は、お客様を目的地へと安全迅速にお送りすることです。
この仕事内容の中に、何か成長出来そうな事はあるでしょうか?
おそらく
- 車の運転技術が上がる
- 道を覚える事ができる
- お客様との会話力が養える
くらいではないでしょうか?
まず1つ目の車の運転技術が上がるという事についてですが、確かに運転技術は上がります。
都会の大きな交差点や、車がギリギリ通れるような細い道を通ることもあるので、事故の起こらない運転技術やハンドル操作などが身に付きます。
でも、それってタクシーに乗らなくても自家用車で十分身に付きますよね?
2つ目の道を覚える事ができる、という事についてですが、確かに道を覚えることが出来ます。
出勤時は1日で300km程走りますし、同じ道を通る事もしばしばあるので自然と道を覚えていきます。
また、お客様に抜け道を教えていただいたり、自分で地図を見るなどして努力して覚えることもできます。
でも、それってタクシーの仕事以外に何か役に立つのでしょうか?
3つ目の会話力が養える、という事についてですが、確かに様々なお客様と会話するので多少のコミュニケーション力は身に付きます。
しかし、その内容はというと、
「今日は天気が良いですね」
「そうですねぇ、でもこの後3時から雨が降るみたいですよ」
「そうなんですね。傘持ってくるの忘れちゃったな、コンビニで買うのはもったいないしなぁ」
「分かります!あれってすごく損した気分になりますよね(;’∀’)」
みたいな当たり障りのない会話が殆どです。どうでしょうか?成長できそうでしょうか?
20代という成長著しい黄金時代をタクシーに捧げてしまっても良いのでしょうか?
将来性がないから
3つ目の理由としては、将来性がないからです。
現在、世界では技術革新によりあらゆる分野でIT化が進んでいますよね。
ITとは、
「情報技術」のことで、コンピューターやデータ通信に関する技術の総称。その言葉の意味は広く、情報通信分野の基礎技術から応用技術の範囲にまで及ぶ。具体的には、コンピューターやインターネットを中心とするネットワークを活用し、会社の業務や生活に役立てるための技術を指すことが多い。
スーパーでは人件費削減の為に会計を客側がやるようになっている場所が増えましたし、コンビニでは今後、QRコードや顔認証システムを利用してレジの無人化もされていくようです。
いや~、ITってすごいですね!
ただ、感心してばかりもいられず、IT化の波がタクシーにも押し寄せてきています。
ティアフォー、JapanTaxi、損害保険ジャパン日本興亜、KDDI、アイサンテクノロジーの5社は、自動運転タクシーの事業化に向けての取り組みを共同で進めることで合意したと発表した。
これまで5社はそれぞれのリソースを活用し、自動運転に関する実証実験を重ね、ノウハウを蓄積してきたが、具体的に事業化するにあたり、自動運転タクシー車両や運行管理サービスの開発や検証が必要となるため、共同で取り組んでいくことにした。
まずはJPN TAXI車両に自動運転システムを搭載し、走行・安全管理のための協力体制を構築するとともに、課題を洗い出す。その上で、全国の自治体と連携し、実証実験を繰り返して必要とされる要件を確認し、事業モデルに落とし込む。その後、自動運転タクシー車両の最終整備やオペーレーション体制の構築を進める計画。
5社では、2019年~2020年にかけて最大10台のJPN TAXIをベースにした自動運転タクシーを共同で開発。2020年夏をめどに共同開発した自動運転タクシーを使ったサービス実証を都内で実施するとしている。
トラベルWatchより引用
すでに、自動運転の実証実験が開始されており、2020年には実際に都内を走らせる実験も行われるようですね。
一見、タクシーって街に溢れているし人手不足とは無縁だろう!と思われがちなのですが、タクシードライバーは高齢化が進んでおり、10年、20年後やさらに先にはかなりの人手不足が予想されています。
という事は、それを補う為にはIT技術を使用した自動運転タクシーを導入していく事になるのではないでしょうか。
自動運転が実用化されれば、我々一介のタクシードライバーはお払い箱・・・なんて展開も想像できなくありません。
とはいえ、自動運転に関しては10年後などの近い将来ではなく、実用化されるのは安全性の確認や法整備が行われた後の何十年後レベルの話だとは思います。
しかし、タクシーのIT化は自動運転だけではなく、すでに実害が出てきているものがあります。
それがスマホアプリです。
東京ではもっと早くからだと思いますが、大阪でもここ1年くらいでDiDiやMOV、Uberなどのあらゆる配車アプリが出てきました。
この配車アプリの出現により、明らかに流し(道路で挙手している人を乗せる事)でのお客様獲得率が減ったように思います。
今後、アプリがさらに使い易く強化されていけば、人気のアプリを導入しているタクシー会社は良いかもしれませんが、その他のタクシー会社は売上を上げるのもどんどん厳しくなっていくと思います。
また、昨今は皆さん生活が厳しいからか、タクシーにお金を使う人が減っています。
大阪の高級飲食店街、北新地のタクシー乗り場に並んで高単価(長距離)のお客様に期待するも、ワンメーターばかりという事も珍しくありません。
お前が運が無いだけやで。という批判はやめていただきたい。
マジできついです。
心がポキってなります。
という事で、長くなりましたがタクシーの将来は決して明るくありません。
20代であれば、もっと将来性のある輝ける場所があるのではないでしょうか?
世間から底辺に見られるから
4つ目の理由としては、世間から底辺に見られるからです。
今まで普通に働いていて、こんな事を言われた経験はありますか?
「きみ、なんでタクシー運転手なんかしてるの?」
「タクシー稼げないでしょ。年収600あげるからうちで働く?ww」
「若いのにタクシーなんてやったらあかん!そんな楽したらあかんで!」
「タクシーはないわw」
タクシードライバーとして働いていると、上記のような事を言われます。
うるせー!!あんたに関係ないだろ!と言ってハリセンでバカスカ叩きたくなりますが、これが現実です。世間のイメージです。
真面目に働いている人に対して、こんな言葉をよくも浴びせられるなと思いますが、ま~色んな人がいますね!
また、現在お付き合いしている彼女は勤めている会社の人に
「きみの彼氏大丈夫?」
と言われたらしいです。
別に私が悪いわけではないのは分かっているんですが、何か彼女に申し訳ない気持ちになりましたね。
このように、世の中には人を見下している人がわんさかいるんです。
タクシードライバーとして働いていると、「この人も心の中では見下しているのかもしれないな・・・」なんて悲観的になる事もあります。
幸い、私の場合は初対面の人に何て言われようがあまり気にしませんし、どんな仕事をしているかよりも人間性の方が大事と思っているので大したダメージはありません。
何か言ってくる人には右から左へ受け流しています。
しかし、人によっては底辺に見られ続ける事によって、人間として大切な「尊厳」や「自尊心」が少なくなっていく可能性も考えられます。
これらは、人間の幸福感に影響すると心理学の本で読んだことがありますので、軽視できません。
という事で、底辺に見られたくないなら20代でタクシードライバーになるべきではありません。
事故で人生が終わる可能性があるから
5つ目の理由としては、事故で人生が終わる可能性があるからです。
タクシーという仕事は、1日200~400㎞車を走らせます(走行距離は人それぞれ)
それだけなら大した事はありませんが、問題は走行する道です。
都会の複雑な道路、Uターン禁止の場所や一方通行、時間帯右折禁止の場所や狭路などなど、様々な交通ルールを守りながら走行しなければいけません。
しかも、ただ走るだけではなく、「お客様」というお荷物をお乗せして走行しなければいけせん。
そしてこのお荷物は、時々もの凄いプレッシャーをかけてくることがあります。
私の話だけでは分かりづらいと思うので、実際どんな状況になるのか、今からシチュエーションを用意しますので想像してみてください。
さて、あなたはタクシー会社に入社して二種免許と地理試験に合格し、本日が記念すべき初乗務です。
心は不安と期待でいっぱい・・・ですが、どちらかというと不安の方が大きいでしょう。
「どんなお客様が乗ってくるんだろう。怖い人だったらどうしよう・・・まだ道分からないし・・・」
このような精神状態で乗務が始まると想定されます。
緊張と不安を胸にタクシーに乗り込み、会社を出ます。
会社を出てなるべく自分の知っている道を走行していると、30代くらいの女性が手を上げました。
「止まらなきゃ・・・!」
この時点で緊張と不安はMAXです。
それでもなんとか車を女性のいる場所へ停車することができ、行き先を伺います。
「大丸まで、急ぎで行って!」
女性のもの凄い剣幕とプレッシャーに、突如頭の中が真っ白になります。
本来なら、分からない場所であればお客様に聞くかナビを入れないければいけないのですが、焦ったあなたは見切り発車をしてしまいました。
「大丸・・・どこだったっけ・・・確か御堂筋と長堀通の交差点の近くだったような・・・」
今まで経験した事のない嫌な手汗のにじみを感じながら進行していきます。
しかし、さすがにこのままではまずいと思い、勇気を振り絞ってお客様に助言を求めます。
「申し訳ございません。実は大丸に行くのは初めてでして・・・道を教えていただけないでしょうか?」
すると
「はぁ?なんで大丸も分からへんの?新人とか関係あんの?」
「なんでもいいから急いで行って!!」
ヒステリーな女性の剣幕に押され、頭の中はもうパンク寸前です。
そして必死でナビ画面を見ながらわき見運転をしていると、突然目の前に自転車が飛び出して決ました!
あぶなっっ・・・・・・
いかがだったでしょうか?
10人中8人は異常な精神状態になったかと思います。
これ、全て私の初乗務の時の話です。
幸いにも自転車との接触は避けられたのですが、本当に恐怖でした。緊張しいな所はあるのですが、頭が真っ白になるってこういう事をいうんだな、と思いました。
結局、わけもわからず大丸と50mくらい離れた所に到着し、そのお客様は激オコプンプン丸で出ていかれましたね。
今思い出しても恐ろしいです。
そもそも大丸が分からない自分が終わってたという話なんですが、このようにお客様にプレッシャーをかけられて焦って事故寸前、または事故という状況が新人の頃はよくあります。
まだ地理に不安がある中で、ややこしい道を進行し、なおかつお客様には急がされて・・・という状況で全ての危機回避をするなんて不可能に近いです。
2024年の春には東京の方で20代前半のタクシードライバーが死亡事故を起こして逮捕されていましたし、実際に
タクシー会社に入社して1年以内に事故を起こす確率は9割と言われています。
私の同期は漏れなく事故していますし、私自身も1年目に2度事故をしました。
1回目は、お客様降車時に後部座席のドアを開けた時に、前から突っ込んできた自転車とドアが接触という事故。
2回目は、狭路で縁石にこするという事故。
これだけだと大した事故に思えないかもしれませんが、間一髪のような事は何度も経験しています。
阪神高速の環状線で突然目の前を車が横切って壁に激突した時は本当に死を意識しましたね。もう少しタイミングがずれていたらと思うと恐ろしかったです。
このように、事故を起こしやすい環境になっているのがタクシードライバーという仕事です。
万が一大きな事故を起こしてしまえば、その後の人生が終わってしまう事も考えられます。
それでも20代でタクシードライバーになりたいと思いますか?
まとめ
今回は
- いつでもなれるから
- 成長がないから
- 将来性がないから
- 世間から底辺に見られるから
- 事故で人生が終わる可能性があるから
という5つの理由があるので、20代でタクシードライバーになるのはやめるべきというお話でした。
本当に、タクシードライバーにはいつでもなれます!低学歴高卒の私でも二種免許を取ってちょっとした試験を受けるだけでなれましたから。
そんな私が20代の皆さんに一番お伝えしたいのは、タクシーに転職する覚悟があるなら、もう少し今の職場、もしくは別の挑戦できる環境でがむしゃらに働いてみても良いのではないかということです。
どうせクビになったってタクシードライバーになればいいや。という気持ちでいれば、 今の職場で人に嫌われようが孤立しようが関係ありません。
むしろ、その気持ちでいる方が堂々と仕事ができて結果が出せる気がしませんか?
私はそこだけ少し後悔しています。もっと自分を出して人に批判されようが自分らしく働けば良かったなって。
仕事のみで繋がっていた人間関係を煩わしく思っていた自分がバカだったなぁと辞めてみて思います。まぁ、その時は気づかないものなんですが・・・。
と、ここまで色々書きましたが、私自身はこの仕事にメリットを感じているので今も続けています。
要は、自分が納得して働けるなら20代でタクシーでも全然良いと思うわけですね。はい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。