DAIWAとSHIMANOからそれぞれ発売されているエメラルダスMXとセフィアSSについて比較していきたいと思います。
この2機種は同じ2万円台前半で購入できるミドルクラスのエギングロッドとなっており、脱初心者用ロッドとしても人気のある価格帯ですが、それぞれのメーカーのテクノロジーが詰め込まれているが故に
「選ぶ基準が分かりにくい」「どっちがおすすめなの?」と頭を悩ませている方もいるかと思います。
そこで、どちらも所持している私が実際にアオリイカを釣った経験から感じたそれぞれの違いやどちらがおすすめかなど詳しく書いていきたいと思います!
エメラルダスMX83ML
セフィアSS S80ML
比較するのはMとML
今回比較するのはエメラルダスMXのMクラスとセフィアSSのMLクラスです。
※番手はエメラルダスMX83MとセフィアSS S80MLです。
それぞれ硬さの違うロッドですが、過去にエメラルダスMXの83MLという番手も所持していたことがあり、実際にアオリイカも釣っているためその経験も踏まえて比較していきたいと思います。
ロッドの重心の違い
エメラルダスMX83Mは長さが2.52mで自重95g。
セフィアSS S80MLは長さが2.44mで自重は96g。
このようにセフィアSSの方が1g重いのですが、実際に海を目前にしてエギをシャクってみると、なぜかセフィアSSの方が軽く感じるんです。
この時、なんとなくタックルバランスの問題だろうなとは思っていたのですが、今回改めてロッドの重心を調べてみました。
まず、この2つのロッドは長さが8㎝違います。
そして、ロッドが安定する位置の重心がこちらです↓
マスキングテープで目印を付けたのですが、中心部から中心部まで約10㎝あります。
元々の長さの違いである8㎝を差し引いたとしても、2㎝分セフィアSSの方が手元に重心が寄っているんですね。
エメラルダスMXとセフィアSS、双方に同じ190gのリールを付けてシャクっているはずなのに、セフィアSSの方が軽快にシャクれるのはこのせいだったんですね。
エギングでは手元に重心が寄り気味の方が力を入れやすくシャクりやすいと感じるため、ロッドバランスの影響でシャクりやすさはセフィアSSに軍配が上がると感じます。
とはいえ、エメラルダスMXがシャクりにくいかというとそんなことはなく、握る位置をグリップ上部にすればセフィアSSに近い感覚で軽快にシャクることは可能です。
ただ、セフィアSSの方は何も考えずシャクっても軽快にシャクれるロッドという感じですね!
何も考えずにシャクった時のファーストインプレッションはセフィアSSが上だと感じ、実際に手元に重心が寄っている分シャクりやすい
グリップの握りやすさの違い
グリップはそれぞれ違う素材になっています。
まずはエメラルダスMXです↓
リールシートには軽量化・高強度・高感度を実現するカーボンファイバー入りエアセンサーシートが採用されており、汎用リールシートでは体験できない操作性を実現というのがDAIWAのうたい文句です。
実際に握ってみると掌へのフィット感も良く、エギが海草に触れた感触や岩に当たった感触などがしっかりと伝わってきて感度も良好です。
春エギングでは海草との戦いみたいなところがあるため、この感度の高さは強みですね。
次にセフィアSSです↓
リールシートには、高いホールド性と軽量高感度なパーフェクションシートXTを採用しているため、水中のエギの状態や潮流、微細なアタリなどをより把握しやすいのが特徴というのがSHIMANOのうたい文句です。
一見、プラスチックがむき出しになっているデザインに握り心地の悪さを懸念しましたが、実際に握ってみるとその不安は一瞬で消えました。
パーフェクションシートなる段差を少なくしたグリップ周りが想像以上の掌へのフィット感に貢献しており、こちらもエメラルダス同様、岩や海草に触れた感触がしっかりと伝わってきます。
ロッドが柔らかいと感度が鈍りがちですが、MLでこの感度はGOODですね!
グリップ形状に違いはあるものの、同じくらいのレベルでどちらも握りやすく感度も優れている
感度の違い
グリップから伝わる感度はどちらも優れているという結論でしたが、ティップの感度はどうでしょうか?
まずエメラルダスMXですが、アイテム名にS(ソリッド)と表記のある番手以外はチューブラーティップ採用となっており、上記した通り岩や海草に触れた感触やイカパンチ、イカの触れた違和感などがしっかりと伝わってきます。
次にセフィアSSですが、こちらもアイテム名の最後尾に‐S(ソリッド)と表記のある番手以外はチューブラーティップとなっており、岩や海草に触れた感触やイカパンチ、イカの触れた違和感などしっかりと伝わります。
ですので、ティップの感度の差は感じていないというのが正直なところです。
ティップの感度は明らかな違いがあるものではなく、殆ど一緒!
遠投性能の違い
どちらもよく飛びます。
ただ、セフィアSSのMLで3.5号をキャストする場合は柔らかい分よく曲がるため、ロッドの反発を利用したリリースタイミングが慣れるまで難しいと感じるかもしれません。
慣れてしまえばMでキャストする時と同じくらいの飛距離は出ます。
エメラルダスMXに関しては、3.5号以上のエギはMの方が飛距離は出しやすいですが、こちらも慣れればMLでも同じくらいの飛距離を出すことができます。
飛距離は殆ど一緒。慣れればMでもMLでも飛距離を出せる!
ブレの収束スピードの違い
ブレの収束スピードの違いですが、過去にエメラルダスMXの83MLを使用していた経験も踏まえると、同じMLのセフィアSSと比較した場合、セフィアSSの方が収束が速いです。
エメラルダスがシャクった後にバイヤヤヤイ~ンとブレて収まるまでの時間が5秒だとしたら、セフィアは4秒程度で収まるイメージです。
わずかな違いのようにも思えますが、長い釣行時間の中では意外と気になるポイントだったりします。
これは購入時点で私が気にしていた点の一つなのですが、そもそもエメラルダスMXの83MLを手放した理由はブレの収束が遅めなのが気になったからでもあります。
ただ、やはり秋のエギングを最大限楽しむためには、100g~300g程度の新子のアオリイカの引きでもバットまで曲がり込んでくれるような柔らかめのロッドが必要と感じ、セフィアSS S80MLを購入した次第です。
結果的にはハイパワーXやスパイラルXなるSHIMANOのテクノロジーが優れているようで、ブレの収束に関してはセフィアSSの方が速く、ストレスのない快適なシャクりLifeを送れています。
ブレの収束スピードはセフィアSSの方が速く、シャクった直後のアタリにも集中しやすい
バットパワーの違い
バットパワーについては、どちらも500gクラスのアオリイカを高さのある堤防から抜き上げた時に不安を感じないくらいのレベルです。
500g中盤以上は抜き上げていませんが、想像すると少し不安感があるためロッドに必要以上の負担をかけないためにもタモを使用した方がいいと思います。
また、どちらかというと硬さのあるエメラルダスMX83Mの方がパワーを感じますが、セフィアSS S80MLがパワー不足とは感じておらず、SHIMANOの宣伝通り春イカにも使えそうだと感じています。
この動画はセフィアSS S79MLで3kgオーバーのアオリイカを釣り上げている動画ですが、MLクラスでもモンスターを獲れることが分かります。
また、大きいエギの使用感ですが、エメラルダスMX83Mは3.5号のエギでもロッドが負けずにキビキビとシャクれますが、セフィアSS S80MLは柔らかい分、キビキビとした動きは行いにくいです。
これはMとMLという硬さの違いがあるためですが、個人的にはセフィアSSで晩秋に3.5号のエギ使用で問題なくアオリイカが釣れたため、好みの問題であって釣果に強く影響を及ぼすものではないと考えています。
補足ですが、秋~春を通して大きなエギをキビキビシャクりたいならM。
秋は新子イカの引き味を楽しんで、春は柔らかいシャクりで狙いたいならMLという感じでしょうか。
どちらもバットパワーに不足なし!1kgオーバー相手でも余裕を持って対処できる
シャクリやすさはセフィアSS
シャクりやすいのはどんなロッドか?と考えた時に、同じ力を加えた時により軽快にシャクれるロッドだと考えています。
その点でセフィアSSはロッドの重心がエメラルダスMXよりもやや手元に寄っており、同じリールを装着した場合に軽い力でシャクれるロッドだと感じます。
同じ価格帯のロッドということもあり、大きな違いを感じるわけではないのですが、両方のロッドが目の前に並べられている状況で「好きな方を使え」と言われたら私は迷わずセフィアSSを選択しますね。
おすすめはどっち?
エメラルダスMX83ML
セフィアSS S80ML
- シャクリやすさ
- 感度
- ブレの収束スピード
- バットパワー
- 遠投性能
エギングで気になる点は主に上記の5つではないでしょうか。
そして、今回比較したエメラルダスMXとセフィアSSは同価格帯ということもあり、上記の項目がストレスのないレベルで満たされていると感じますし、実際に快適に使えています。
これよりも下の価格帯を使用していた人はどちらを購入しても満足できると思います。
ただ、硬さがMLという条件で選ぶならおすすめしたいのはセフィアSSですね!
正直、私はDAIWA派でエメラルダスのファンだったのですが、試しに23セフィアSSを使用してみてその使用感の良さに驚きました。
ロッドバランスが良くシャクりやすくてブレの収束スピードも速く、バットパワーもあり秋イカも楽しめる曲がってくれるMLロッド・・・自分の求めていた理想的なロッドに近いと感じました。
エメラルダスはDAIWAのブランディングが上手く、さらに海が輝くようなデザイン性も相まって人気が高く手にしたいと思えるロッドですが、その陰に隠れてしまっている感のあるセフィアも良いロッドですね。
2万円台前半のエギングロッドは中途半端な価格帯と批判されることも多いですが、この完成度と使用感の良さならコスパが高いですし、十分満足できてしまいます。
また、セフィアSSの良いところはMLロッドのラインナップが充実しているところです。
MLの中で一番短いS79ML(2.36m)~S93ML(2.83m)まで幅広い長さのロッドが揃っているため自分の好みに合わせて選べるのが嬉しいです。
一般的な漁港や足場の低い磯では79MLや80MLの短めロッドが操作性が良いですし、高さのある堤防や磯では長めのロッドが扱いやすいと思います。
それでは、良いフィッシングライフを(^O^)/