たまに、テレビでインタビューを受けているタクシードライバーが、「全然稼げないよ・・・」とか、「コンビニで働いた方がいい生活できる」などと言っている様子を見て、実際はどうなんだろう?と疑問に思ったことはありませんか?
そんな疑問にお答えするべく、今回は大阪タクシードライバーの給料実態をお伝えしたいと思います。(自分が大阪で働いているので大阪限定です)
大阪タクシーの給料平均
まず、大阪タクシードライバーの給料平均はどれくらいなのでしょうか?
直近で平成29年度の資料がありましたので、ご覧ください。
引用元http://www.taxi-japan.or.jp/pdf/toukei_chousa/tingin29.pdf
この資料によると、大阪のタクシードライバーの給料平均は3,464,700円のようですね。
タクシーは稼げないとよく言われているのを聞いていたので、正直300万円以下かと勝手に思っていましたが・・・案外高かったです。
ちなみに、一番稼げると言われている東京で4,185,100円なので、その差は約72万円となっています。
年収が約350万円なら毎月の給料が約29万円なので、コンビニでフルタイムで働くよりは良い生活ができそうですね。
タクシーはワーキングプア?
最近ワーキングプアという言葉をよく聞きますが、大阪のタクシーはそれに該当するのでしょうか?
と、その前にワーキングプアとは
ワーキングプア(英:working poor)とは、貧困線以下で労働する人々のこと。「働く貧困層」と解釈される。
正社員並み、あるいは正社員としてフルタイムで働いてもギリギリの生活さえ維持が困難、もしくは生活保護の水準にも満たない収入しか得られない就労者の社会層」と解釈される事が多い。
Wikipediaより引用
正社員並み、または正社員として働いているにもかかわらず、生活保護の水準にも満たない収入しか得られない人の事を指すようです。
一般的には、年収200万円以下の人がワーキングプアに該当するようです。
正社員で働いているのに年収200万円以下って、そんな会社あるのか・・・?と正直思ってしまいますが、日本には約1000万人ほどいるようです。
本題ですが、大阪のタクシーは平均年収が約350万円なので、ワーキングプアには該当しませんね。
実際に働いている身としては、年収200万円以下になる方が難しいと感じるので、今後もタクシーが近い未来でワーキングプアになるとは考えにくいです。
大阪タクシードライバーの給料
で、大阪のタクシードライバーの給料はどうなのよ?というお話ですが、現場の声も参考にしながら書いていきたいと思います。
タクシーには勤務形態が数種類あるのですが、今回は、隔日勤務(丸1日勤務)と夜勤(夜だけ)のみに焦点を当てて書きます。
隔日勤務の年収実績
まず、私自身の給料ですが、勤務形態は隔日勤務で、前年の年収が約480万円でした。(手取りではなく総支給)
私の営業エリアは主にキタ~ミナミです。
大阪の地理が分からない方もいると思いますので、詳しく言いますと、キタは大阪駅のある梅田周辺。ミナミはカーネルサンダーが投げ込まれた道頓堀川の周辺です。
この480万円という給料は、20代であれば良い方だと思いますし、30代、40代と歳を重ねるにつれて少ないと感じていくレベルだと思います。
この給料だと、毎月の平均が40万円になるのですが、実際には20万円台の月もあったり、50万円近い月もあったりでバラバラとなっています。
タクシーの歩合率は売上に応じて変化します。月の売上が50万なら約55%、60万なら約60%といった感じで売上を上げるほど歩率も良くなります。なので、60万売り上げたら給料は36万円ということですね。
ちなみに、去年はかなり頑張ってこの給料です。今年は趣味を充実させたり、早く帰る日も多かったのでこれより10万円以上下がる見込みです。
私だけの給料を公開してもいまひとつ参考にならないと思うので、他のタクシードライバーの給料実態はどうなの?という話ですよね。
では、周辺の人たちに聞いた情報をもとに多い順にリストアップしてみます。 ※給与明細を見せてもらったわけではなく、会話の中で拾った情報をもとにしています。
私の周辺の人たちに聞いたもので統計ではありませんのでご了承ください
- 約33万円(売上約55万)
- 約28万円(売上約50万)
- 約36万円(売上約60万)
色んな人の話を聞いていると、大体こんな感じでした。
話を聞く中で約33万円の層が一番多いと感じており、実際に働いていてもこの数字はさぼらず頑張れば到達できる感じですね。
次に多いと感じるのが28万円の層です。こちらは、出勤日数にもよるのですがサボる日があっても到達できる数字だと思います。比較的楽に到達できると感じます。
最後が36万円の層ですね。繁忙期や閑散期にもよるのですが、繁忙期であれば割と余裕で達成できる数字だと思います。逆に閑散期であればかなり頑張るか、出勤日数を増やさないと達成できないと感じます。
ここまでが周辺の人たちに聞いた情報ですが、みんなが正しい情報を言ってくれているとは限らないので、あくまで目安程度に考えていただければと思います。
中にはもっと売り上げている人もいるでしょうし、実際に私の知人で月90万円売り上げている人がいます。隔日勤務でです。大阪では破格だと思いますし、真似しようとしてもまず無理ですね・・・。
ちなみに、この3つのリストを平均した年収が388万円になるので、冒頭の資料にあった大阪タクシーの平均年収が350万円というのが余計にリアルに感じますね。
夜勤の給料
大阪の夜勤タクシードライバーの給料実態ですが、稼いでいる方はけっこういらっしゃいます。
夜勤の勤務時間は大体ですが、18時~翌朝5時頃までですね。
私の知人では、月22~24日出勤で、1日の売上平均が4万円という人がいます。
22日出勤した場合の売上は、4万×22日=88万円
88万円の60%にあたる約53万円が給料になりますね。
1年間この収入を維持したとすると、年収は約630万円になります。
事故のリスクなどは大きくありますが、特別なスキルの必要ない仕事としてはかなり良い方なのではないでしょうか。
ただ、ここまで稼ぐとなると肉体的にかなりキツイと思った方が良いです。腰を悪くする方たくさんいます。
夜勤で長く働いている方は体の負担も考えておられるでしょうから、無理しない範囲で考えると売上平均は1日3~3.5万程度ではないのでしょうか。それでも、年収500万程度になりますから生活が苦しいという事はないと思います。
では夜勤が何故こんなに稼げるかというと、以下のような理由があります。
- タクシーで高単価が出やすい終電後などの深夜帯に営業できる
- 隔日勤務と違って毎日営業できる
1日おきの勤務である隔日勤務と違い、公休を除いて毎日稼げる深夜帯に出勤できるメリットが大きくあります。
ただし、逆に言えばトラブルになりやすいお客も一番多い時間帯なので、事故のリスクに加え酔客との終わりなき戦いもしていかなければならないデメリットも存在します。
タクシー会社を選ぶ際の注意点
タクシー運転手として働く際は会社選びが最も重要になってきます。
なぜかというと、会社によって歩合率やボーナスの有無、事故の際の自腹額などの収入に関わる部分が大きく違うからです。
ですので、会社を選ぶ際の注意点がいくつかあるのですが、ここで書くと長くなり過ぎてしまうのでこちらの記事に詳しく書いてまとめました↓
今回は現役タクシードライバーの年収を公開しましたが、大阪タクシードライバーの給料が少ないと感じた人、思ってたより多いな!と感じた人、はたまたタクシーも悪くないかも・・・と思った人、様々だと思います。
最後に、念を押して言わせていただきたいことがあります。
それは、タクシードライバーとして長く働きたいならほどほどに頑張る方が良いということです。
いくら年収600~700稼いでも身体を壊せば意味がありません。
事故をして辞めていく人、目先の給料の為に身体を壊して辞めていく人がたくさんいる業界です。
ということで今回は、大阪でタクシードライバーを考えている方の参考になれば、と思い書きました。
それでは、皆様の幸運をお祈りしています。