シマノのエントリーモデルとして人気を博している17サハラが、2022年3月に22サハラとしてリニューアル発売されますね!
昨年は上位モデルである21アルテグラがマイクロモジュールギアなど高級機種に搭載されているテクノロジーを携えて衝撃のデビューを果たしたばかりですし、
かと思えば21ナスキーもフルリニューアルされ、1万円以下の低価格帯でねじ込み式ハンドルを実現させるなど、フィッシング業界にとんでもない旋風が巻き起こっている模様です。
そんな盛り上がりを見せるリニューアル旋風の中でも今回究明していくのは、同価格帯の22サハラと20レブロス、買うならどっち!?
ということです!
22サハラ2500SHG
20レブロスLT2500S-H
- 軽さ重視なら20レブロス
- 巻き心地重視なら22サハラ
ということで、2つのリールのスペックの違いや進化点、備わっているテクノロジーなど詳しく書いていきたいと思います!
もくじ
スペックの違う点
まずはジグ単などのライトゲームで使用頻度の高い2000番クラスを比較していきます。
2000番クラス
品名 | 22サハラC2000S | 20レブロスLT2000S |
ギア比 | 5 | 5.2 |
巻取り長さ | 66cm | 68㎝ |
自重 | 210g | 200g |
最大ドラグ力 | 3kg | 5㎏ |
ハンドル長さ | 45mm | 45mm?(不明) |
ノブ | I型 | I型 |
ベアリング | 4/1 | 4/1 |
標準糸巻き量 | PE0.6-150m | PE0.6-150m |
スペックの違う点をオレンジ色にしてみました。
実際に釣りをした時に分かりやすそうな違いは、自重と最大ドラグ力でしょうか。
自重に関しては20レブロスが10g軽く、ドラグ力は22サハラが3kg、20レブロスが5㎏です。
最大ドラグ力とは、「ドラグが滑らずに耐えれる最大の値」のことで、この場合22サハラはドラグノブを締めた状態で3kg以上の負荷がかかった場合にラインが出始め、
20レブロスは5㎏以上の負荷がかかった場合にラインが出始めるということですね。
ちなみにこの値の違いは、ちょうど21アルテグラと21フリームスの違いと一緒なのですが、どちらも所持している私からすると、最大ドラグ力が違うからといってアジング・メバリングへの影響は殆どないので特段気にする必要はないと思います。
2500番クラス
ローギア深溝タイプ↓
品名 | 22サハラ2500 | 20レブロスLT2500D |
ギア比 | 5 | 5.3 |
巻取り長さ | 73㎝ | 75cm |
自重 | 240g | 220g |
最大ドラグ力 | 9kg | 10kg |
ハンドル長さ | 55mm | 55mm |
ノブ | 不明 | T型 |
ベアリング | 4/1 | 4/1 |
標準糸巻き量 | PE1.5-220m | PE1.5-230m |
まずはパワーのあるローギア深溝タイプですが、大きな違いは自重でしょうか。
240gのサハラよりも20レブロスの方が20g軽いですね!
その他は巻取り長さが2㎝違ったり、最大ドラグ力が1kg違うなど僅かな差はありますが、重量以外の実用面でハッキリと分かるほどの差はないと思われます。
ハイギア浅溝タイプ↓
品名 | 22サハラ2500SHG | 20レブロスLT2500S-H |
ギア比 | 6.2 | 5.6 |
巻取り長さ | 91cm | 79cm |
自重 | 240g | 220g |
最大ドラグ力 | 4kg | 5kg |
ハンドル長さ | 55mm | 55mm |
ノブ | 不明 | T型 |
ベアリング | 4/1 | 4/1 |
標準糸巻き量 | PE1.0-120m | PE1.0-140m |
こちらはハイギアのスペックを比較した表ですが、大きな違いは自重と巻取り長さですね!
ローギアの巻取り長さの違いは2㎝だけでしたが、ハイギアはなんと12㎝も差があります。
ですので、サハラの方がリールを1回転させた場合に12㎝も多く巻き取ることになります。
これはリールを選択する上でそれなりに重要なポイントではないでしょうか?
テンポ良く手返しの良い釣りがしたいなら巻取り量の多いサハラ2500SHG。
エギングなどでゆっくりと誘いたいならレブロスLT2500S-Hといったところですかね。
個人的には、ハイギアで選ぶならゆっくり誘えて自重も軽いレブロスを選択したいですが・・・。
ただ、サハラでもローギアを使用して下糸を巻いた上にPEラインを巻けば問題なくスローに誘うエギング等できるので、自重以外に特別光る部分があればサハラもありな気がしてきます。
ん~、まだ結論を出すには早そうですね(;’∀’)
22サハラの進化点
17サハラから進化点について書いていきます。
サイレントドライブ
ボディ全体の基本設計、駆動関連部品をひとつひとつ見直し、部品間の微細なガタ、隙間、揺れを細部に至るまで徹底的に排除。改善の対象箇所はドライブギア、ウォームシャフト、ウォームシャフトピン、ウォームシャフトギアなど多岐に渡る。新たな次元での滑らかな回転性能、静粛性を伴った巻き心地を実現しました。
SHIMANO公式サイトより引用
サイレントドライブとは、部品間で起こるノイズを徹底的に排除するために搭載されているテクノロジーです。
これにより、とにかく滑らかな回転性能と静粛性を伴なった巻き心地が得られるというわけですね。
17サハラには搭載されていなかったので、巻き心地向上への期待値が高まりますね!
軽量化
22サハラは17サハラよりも軽量化されています。
2500番手で比較すると、17サハラが250gなのに対して22サハラは240gと10g軽量化されています。
が、正直30gの軽量化を果たしている20レブロスと比較すると見劣りしますね。
ただ、自重は腕の負担軽減など重視すべき要素ではあるものの、それだけでは評価できない面もあるので、実際に使用してみないと何とも言えないところではあります。
ねじ込み式ハンドル
これはめちゃくちゃ大きい変化ではないでしょうか!
まさかの1万円以下のリールでねじ込み式ハンドルが採用されるとは!!
いや~、この発表を聞いた時には驚愕を通り越して笑ってしまいました。
従来の供回り式は、設計上どうしてもハンドルのガタツキが出やすかったのですが、そこはねじ込み式ハンドルになったことでなめらかな巻き心地になっているはずです!
これにより、「レブロスより重い」というマイナス点が一気にひっくり返りそうな勢いです。
22サハラのテクノロジー
22サハラに搭載されているテクノロジーについて書いていきます。
HAGANEギア
金属の塊を約200トンの圧力でプレスし、切削なしにミクロン単位の精度で仕上げる。精密冷間鍛造と言われる独自の技術が、硬く、粘り強いギアを生み、なめらかな巻きごこちを可能にする。
ギアには超超ジュラルミンと呼ばれる、強度に優れたアルミニウム合金の中でも最高の強度と耐久性を持つアルミウム合金が使われています。
この超超ジュラルミンはタイヤのホイールなんかにもよく使われているようです。
それだけ強度と耐久性に優れている部品が22サハラには搭載されているということですね!
X-SHIP
ドライブギアの大径化、ピニオンとドライブ両ギアの最適配置、ピニオンギアのベアリングによる2点サポート。これら頑強なギアの噛み合わせが、負荷に強い軽快なリーリングを保持する。
X-SHIPとはギアシステムのことで、ハンドルを回す力を効率よく伝達することで、軽い力でも強いリーリング力を発揮してくれるもののようです。
少ない力でも大物とのやり取りが楽に行えるイメージですかね。
Gフリーボディ
スプールを前後運動させるための摺動機能部品をリール本体上部に配置し、リール全体の重心を手元に近づけることに成功。これによりロッドとの一体感が向上し、キャストによる疲労の低減、ロッド操作性の向上につながります。
スプールを前後運動させるためのウォームシャフトの位置をロッド側に配置することでリールの重心を手元に近づけ、ロッドとの一体感が向上しているというもの。
これにより、実際のリールの自重よりも軽量に感じることができ、キャストによる疲労軽減やロッドの操作性の向上に繋がっているようです。
AR-Cスプール
特殊なスプールリング形状を持つスプール。これによりラインの整流効果を生み、ライントラブルの抑制と遠投性能の両立を実現しました。
特殊なスプールリング形状とは、スプールのふちを斜めにすることで、ライン放出時の摩擦が少なくライントラブルの軽減と飛距離のUPに繋がっているというもの↓
※画像は21アルテグラ
ここまで22サハラについて調べてきましたが、ねじ込み式ハンドルに加え、低価格帯のエントリーモデルとしては十分過ぎる性能を持っているリールということが分かりました!
SIMANOさんマジすごいです・・・。
20レブロスの進化点
15レブロスからの進化点について書いていきます。
ATD
ATDでは、魚の引くスピードに応じてブレーキ力が徐々に上がるように設計されていますので、アワセに対してドラグが滑りすぎることはありません。
ATDとはオートマチックドラグシステムの略で、既定のドラグ設定値に応じてドラグが作動するわけではなく、魚の引くスピードに応じて自動的に変化させてくれる、なんとも有難いシステムです。
ATDの搭載されているリールだと、アワセのタイミングではドラグが滑り過ぎないようになっているため、フッキングも決まりやすいと言われています。
フッキングが決まった後に魚の引きに応じて追随するようにドラグが滑り出してくれます。
タフデジギア
滑らかな回転がより長く続く「タフデジギア」を採用。限りなくノイズレスな回転を実現し、釣り人の繊細な指先の感覚に正確に応える。
タフデジギアは、22サハラでいうところの「HAGANEギア」に当たる部分かと思います。
DAIWAはLTコンセプトによってリールを小型化し軽量化させましたが、リールの小型化=耐久性のダウンにも繋がる恐れがあったと思われます。
そこで、タフデジギアを導入することにより小型化しつつも耐久性・強度も維持できたというわけですね。
軽量化
15レブロスは2500番手で250g~270gの重量がありましたが、20レブロスは同じ2500番手で220gとなっており、なんと30g~50gも軽量化されています!
2020年にレブロスがリニューアルされた時には、7千円を切る低価格帯でここまで軽量なリールが出たことに驚愕しました。
私自身、所持しているリールですが、軽いですしドラグ性能もそこそこ良いので気に入っています。
20レブロスのテクノロジー
20レブロスに搭載されているテクノロジーについて書いていきます。
LTコンセプト
LTコンセプトとは、Light&Toughの頭文字を取ったものです。
軽量だけど頑丈という、一見矛盾しているようにも思えるコンセプトを実現させたDAIWA。
薄肉アルミスプールやスプールサイズの変更で軽量化を図り、タフデジギア等で耐久性も両立させているようです。
実際、LTコンセプトのリールは軽くて扱いやすいと感じますね。
エアローター
アーチ形状によりローターに掛かる負荷が分散されることで、従来形状のローターと比較し、大幅な軽量化を実現。
上位機種のフリームスなどと比較するとローター素材はZAION Vではなく、DS4となっており、これは炭素繊維ではなくガラス繊維が配合されたもののようです。
エアローターを使用することで軽量化に成功しています。
エアベール
ベールを返した時にラインローラーまで滑らかに糸を導くには、どうしたら良いか……。現状の問題点を洗い出し、やがて目指すべき方向が見えてくる。それは、ベール接合部の段差を極力なくし、ラインローラーへの糸の誘導をスムーズにすることだった。糸が滑って抜けるように、ベールからラインローラーに至る形状を滑らかな傾斜状に改良。約2年の開発期間をかけ、何度も試作を重ね、考えられる糸がらみのパターンをひとつひとつクリアしていった。そして、糸がラインローラーまで流れるように送り出される形状の『エアベール』を発表!これを機に、ベール周辺における糸がらみのトラブルは、しだいに減少していったという。
DAIWA公式サイトより引用
このエアベールは一部のリールを除いて、DAIWAが発売している殆どのリールに搭載されているテクノロジーです。
エアベールの恩恵でベール周辺におけるライントラブルは激減したようですね。
今まで意識していませんでしたが、確かにDAIWAのリールでベール周辺でのライントラブルは殆どない気がします。
LC‐ABSスプール
スプールの軽量化とあわせ、スプールリップ形状の見直しにより、約5%の飛距離アップを実現。
LC-ABSはSHIMANOでいうところのAR-Cスプールに当たる部分かと思います。
※画像は21フリームス
スプールのふちに2段階の段差を設けることで、リング上にラインが乗りにくくなり摩擦が減ることで飛距離の5%UPとライントラブルの軽減を実現。
素材・機能面の比較表
素材・機能面 | 22サハラ | 20レブロス |
ボディ素材 | 高強度樹脂 | DS4 |
ローター素材 | 高強度樹脂 | DS4 |
ギア | HAGANEギア | タフデジギア |
防水機能 | 無し | 無し |
スプール | AR‐C(スプールのふちが斜め) | LC‐ABS(スプールのふちが2段階) |
ベール | ワンピースではない | エアベール |
ハンドル | ねじ込み式 | 供回り式 |
ベアリング(ボール/ローラー) | 4/1 | 4/1 |
自重 | 2500番で240g | 2500番で220g |
その他 | サイレントドライブなど | ATDなど |
まず素材面についてですが、サハラのボディ・ローター素材が公表されていないためハッキリとは言えませんが、高強度樹脂と思われます。
レブロスはDS4というものですね。
素材にこだわる人は高級機種を使用していると思いますし、価格に見合った素材が使われていると思います。
次に機能面についてです。
Xプロテクトやマグシールドなどの防水機能は両者ともありませんので、小雨程度なら大丈夫かと思いますが、リールがずぶ濡れになるような大雨の中での使用は控えた方が良いと思います。
もしもそういった状況で使用した際は、風通しの良い場所でしっかりと乾かしましょう!
個人的に気になったのは、22サハラが恐らくワンピースベールではないということです。
SHIMANOの公式サイトを見てもテクノロジー欄に「ワンピースベール」と表記されていなかったので、通常の継ぎ目のあるベールである可能性があります。
この継ぎ目のあるベールの場合、キャスト時などに継ぎ目部分にPEラインが絡まる等のライントラブルを誘発する可能性があるため、マイナスポイントになるのではと懸念しています。
※2022/3 追記 22サハラを実釣で使用しましたが、特にベールが原因でのライントラブルは起きませんでした。
ワンピースベールよりもライントラブルが起きやすいというだけで、頻繁に起こるようなものではないようです。
それ以外の面では特段大きな不安要素はなく、サハラはレブロスより重量はあるものの、240gなら全然エギングで使用できるレベルではありますし、
なによりこの低価格帯でねじ込み式ハンドルというのは非常に魅力的です。
サイレントドライブも搭載で巻き心地の静音性は高く、かなりなめらかだと予想できるので、サハラがめっちゃ魅力的に見えてきました・・・。
レブロスの巻き心地が悪いというわけではありませんが、どうしても供回り式という点でねじ込み式と比較するとガタつきやすいのは確かです。(特段気になるほどではありませんが)
結局、どっちが買い?
22サハラ2500SHG
20レブロスLT2500S-H
SIMANOとDAIWAのエントリーモデルで同価格帯である22サハラと20レブロスはどっちが買いなのか?
実際にサハラで釣りをした結論としては、
とにかく少しでも軽いリールが欲しい!なら20レブロス
軽さより釣りに集中するための静音性や巻き心地を重視したい!なら22サハラ
ですね!
今回、サハラを使用してフロートメバリングを行ったのですが、じわりじわりと腕が疲れてくる感覚がありました。
もちろん、筋力など個人差があるので一概には言えませんが、腕の力に自信の無い人は軽量なリール(同価格帯で言えばDAIWAのレブロスやレガリス)を選択した方が良いように感じます。
それでは、良いフィッシングライフを(^O^)/