久しぶりにタクシー関連の記事を書きます。
題して、「タクシー運転手になってはいけない本当の理由」
私は最近まで、タクシーは世間体は良くないけど、休みも多いし、真面目に働けばそれなりの給料が貰えるし、良い仕事だと思っていました。
ですが、今世界を未曾有のパンデミックに陥れているコロナ禍が日本にもその影を落とし始めてから状況は一変し、私の考えも変わってきました。
ということで、具体的にどんな風に状況が変化したか書いていくので、現在タクシーへの転職を考えている人に読んで欲しいです。
全然稼げなくなった
もうですね、全然稼げません!
具体的な給料で言うと、コロナの影響が出始める以前の6割くらいに減りました。
なので、以前まで40万近くあった給料が、20万程度になりました。
必死で働いてこれです。
私の能力が低いのも問題だと思いますが、とにかく街に人がいません。
それなのに、空車タクシーは大量にいるので客の取り合いになっています。
私は日頃、色々なタクシーブログを見ていたりするのですが、大阪でも東京でも、大体6割くらいに落ち込んでいる印象です。
ただこれは、現在の日本の状況を考えると致し方ない部分ではあります。
例えば、飲食店は休業要請があったり、閉店時間を早めたりしているので、飲みに行く人が減り、それに伴いタクシーを使う人も大幅に減りました。
また、この機会にテレワークを導入する会社が増え、外に出るサラリーマンが減ったことで日中の利用が大きく減りました。
観光客に助けられていた大阪では、海外のお客様が減ったのもかなり大きな影響を及ぼしています。
このような背景があるので、全体としてタクシー利用が減るのは仕方ありませんし、稼げなくなったのは当然の出来事なのですが、
やはり大幅に収入が減ると未来への不安が強くなりますし、精神的に辛いものがあります。
そしてこの、「景気に左右されやすい」というのが「タクシー運転手になってはいけない本当の理由」です。
稼いでいる人もいるが、危険度が上がる
この状況下でも以前と変わらないくらい稼いでいる人もいますが、そういった人達は何らかの「リスク」を負っています。
- ひたすら走り回り走行距離が増えるため、事故のリスクが増える
- 深夜の繁華街に入り、泥酔者でもお構いなしに乗せるため、客トラブルが増える
- 誰も無線を取りたがらない「危険エリア」でも無線を取るため、客トラブルに巻き込まれやすい
所属している会社で稼いでいる人達に話を聞くと、大概このようなリスクを負って営業しています。
まず、走り回って走行距離が増えると、事故や違反のリスクが高まります。
ただこれは、自分が気を付けて運転すれば良いだけなのでマシですが、問題は「深夜の繁華街」や「危険なエリア」で営業することです。
売上を上げるには深夜の繁華街は外せないので、私も営業するのですが、問題はその営業方法です。
以前までは繁華街の中でも危険度の低い乗車ポイントで待機したり、流したりすれば長距離客の乗車があったのですが、今は状況が違います。
というのは、今の繁華街は空車タクシーで溢れかえっているため、少しでも空車を避けて営業する必要があるからです。
心斎橋の、人が多く歩いている細い一方通行の道に進入して、のろのろとゆっくり運転しながら乗客を狙ったりするので、人と接触事故を起こす危険性や、泥酔客が乗ってきて車内で暴れられる危険性が増えます。
また、誰も無線を取りたがらない「危険エリア」でも構わず無線を取るため、客トラブルが圧倒的に増えます。
「危険エリア」とは、タクシー乗務員の間でも有名になっている場所で、「車内で暴れる人」や、「料金を踏み倒そうとしてくる人」、「悪態をつく人」の出現率が異常に高い場所のことです。
ゲームの世界ような話ですが、実際にそんな場所があるんですよ。
誰が好き好んでそんな場所で営業したいと思うでしょうか?笑
そうです、みんな嫌なんです。
でも、タクシー乗務員さんの中には家族を養わないといけない人も多いので、売上確保のために仕方なくやっているのが現状です。
私は独身で養う家族もいないので、そこまでの覚悟もないですし、なるべく危険度の低い場所で未だに営業しています。
だから売上も上がらないのですが・・・。
コロナが収束したとしても、100%には戻らない
仮に、ワクチンができると言われている2年以内でコロナが収束したとします。
その時、タクシーの利用客がコロナ以前が100%とした場合に、同じ100%に戻ることはないのではないでしょうか。
なぜそう考えるかというと、
- 今回テレワークを導入した会社は今後も継続するであろうことから、外を歩くサラリーマンは減ったまま
- コロナで不況になり、日本人の所得は全体的に減ることが予想されるため、財布の紐がきつくなる
- 海外の旅行客が戻るまで長い時間がかかる
- 日本人の生活習慣がガラリと変わったため、収束したとしても飲みに行く人や外食する人が以前と比較すると少ない
このように思うため、利用客は以前の100%には戻らず、タクシーで稼ぐことが厳しくなっていくと予想します。
もちろん、色々と制限されている現状より良くなることは間違いありませんが、以前よりも良くなることはないと思います。
今タクシーに転職してはいけない
タクシーは景気に左右されやすい仕事です。
最初の方にも書きましたが、これが「タクシー運転手になってはいけない本当の理由」です。
タクシー運転手になると、乗客とのトラブルに気を病んだり、事故の恐怖が常に付きまったりと嫌なことも多いですが、
慣れてくるとそういったリスクはある程度自分でコントロールすることができます。
ただ、景気というのは自分自身ではコントロールできない部分です。
その不確定要素によって、いつか自分の収入が減るのではないか、と不安に感じながら働くのは、「お金」に支配されているような感覚というか、
生活出来なくなるような恐怖感を覚えます。
なのでもし、タクシーへの転職を考えている人がいたら、絶対にやめた方が良いです!
長年働いているベテラン勢が苦戦している中で、新人の人が稼げるわけがありません。
それなら、今需要の多い軽貨物関係の仕事に転職した方が生活が安定すると思います。
それでも、どうしてもタクシーがやりたいんや!という人は、数年見送ってコロナが落ち着いてからチャレンジしてはどうかと思います。
仕事内容が単調なので、稼げてこそ面白い仕事ですが、稼げないとつまらないです。
間違っても、昨今話題の「新卒でタクシー運転手になる人が急増している!」というようなニュースに騙されて入らないようにしてくださいね!