こんにちは!デコ広現役タクシードライバーのものです!
みなさんはタクシー運転手と聞くと、どんなイメージをされるでしょうか?
- キツそう
- 給料安そう
- 剃り込みとか入ってて怖い
- ハゲてる率高め
- 車内でハンチング帽被ってるのはなんで?
- 他に何もできない人がやる仕事
私は働く前、このようなイメージを持っていました。我ながら偏見が凄いなと思います。
でも、実際にタクシー運転手として働き始めてからそのイメージはかなり変わりました!
その中でも驚いたのは、私の職場の同僚の中にはタクシー運転手という職業が、「天国のような仕事」と思っている人までいることです。
今回はその人を例に挙げて、タクシーのどんなところが天国なのか、書いていきたいと思います。
40代男性の例
私の職場にいる40代男性のTさんの話をします。
ちなみにTさんは、身長170㎝くらいのガタイの良い体育会系な雰囲気の男性です。
Tさんは以前営業職として、新卒から長年大手のとある会社で働いていたそうです。
歩合制の営業職な上に、Tさんは成績優秀な方だった為、最後の方は年収1000万円以上あったそうです。
これだけ聞くと、「なんでそんな高給が貰える会社を辞めてタクシー運転手に・・・?」となりそうですよね。
私も同じ疑問を感じて、Tさんに聞きました。「なぜそんな良い会社を辞めたんですか?」と。
するとTさんは、「給料は良かったけど、とにかくキツかった」と一言。
聞くと、朝5時に家を出て夜遅くまで仕事をこなした後は、毎晩のように接待や付き合いの飲み会があり、帰宅するのは毎日深夜の2時を越えていたそうです。
それでも、家族がいるので頑張って出社し続けていたそうですが、とうとうある日からうつ状態のようになってしまったと。
そこまでの状態になっても、家族のことを考えると辞めたらだめだと思っていたし、何より辞めるのが「逃げ」だと思っていたそうです。
ただ、そんなTさんもついには心神喪失のような状態になってしまい、家族と話し合って仕事を辞める決断を下したそうです。
しかし、会社は退職届をなかなか受理してくれず、「もう一度考え直せ」と言ってTさんは会社の個室に1日中居座らされたそうです。
まさに、「追い出し部屋」の逆状態のような感じですね。
追い出し部屋(おいだしべや)とは、日本の企業や団体の職場において、従業員・職員を「自己都合退職」(または懲戒解雇)に追い込み、「会社都合」で退職させないため配属させる部署。
Wikipediaより引用
結局、1か月ほどは出社する度にその個室に閉じ込められたそうですが、あまりにも意志の固いTさんにとうとう骨が折れた会社側が退職を受理したそうです。
私はこんなこと本当にあるのかって思いましたが、いつもパワフルなTさんがこの時はいつも以上に明るく話すところに妙なリアルさを感じました。
それと同時に、これだけ体力も根性もありそうなTさんが追い込められる職場環境って恐ろしいな・・・と思いました。
そんな所謂、「ブラック企業」で働いていたTさんが言い放ったのが、「タクシーは天国のような仕事やわ」という一言だったんです。
休みが多い
Tさんにとってタクシーは、「天国のような仕事」になったわけですが、私がこの話を聞いたのは最初の最初だったので、その時はいまいちピンときませんでした。
でも、タクシー運転手として数年働いた今なら理解できる所があります。
その理由の一つとして、「タクシーは休みが多い」という点が挙げられます。
タクシーには大まかに分けて3種類の勤務形態があります。
- 隔日勤務
- 夜勤
- 昼勤
以上の3つです。
その中でも、Tさんや私は隔日勤務という勤務形態なのですが、この隔日勤務は1日働いて(最大21時間)1日休みという働き方になります。
1日で2日分働く計算になる為、出勤 明休 出勤 明休 出勤 明休 という風に勤務が1日おきになるんですね。
これに通常の公休も加わる為、月に出勤する日数は12~15日になります。
つまり、月の半分は休みになるわけです。
みんなが良く知るところの消防士さんのような働き方です。
ただ、実際には1日の労働が長いので勤務時間は会社勤めの人と比べてむしろ多くなることもありますが、体感としては休みが多いと感じます。
休みを取りやすい
次に、タクシーは休みを取りやすいという点があります。
タクシーは個人でやる仕事なので、1人が休んだとしても組織への影響が殆どありません。あるとしても、その人の売上分が減るくらいです。
ですので例えば、
- 朝起きたら熱があった
- 子供が熱を出した
上記のような緊急事態でも会社に電話をすれば、特に罪悪感も感じることなく簡単に休みを取ることができます。
これが組織で仕事をする会社勤めの場合だと、急に休めば他人に迷惑がかかる可能性があるので休みづらいですよね。
また、その日休んだ分は売上がなくなってしまいますが、別の本来休みであった日を出勤に変えるなどすれば自身の売上は確保することができます。
ただ、休み過ぎると売上が減るだけでなく解雇の対象になってしまう可能性もあるので注意が必要です。
自由度が高い
タクシーは個人でやる仕事なので、自由度が高いです。
歩合制の為、売上がなければ給料がないという厳しさはありますが、その代わりに全て自分の決断で行動できます。
ちょっとした個人事業主みたいなものです。
例えば、明日は朝から旅行に行くので早く帰ろう、と思えば時間いっぱい働かなくても家に帰ることができます。
その分売上は減りますが、別の日に頑張れば良いだけの話です。
これが一般企業の場合、「明日旅行に行くので今日は昼過ぎに帰らせていただきます!」なんて言ったら、「ちょっと病院行ってこい」と言われて終わりです。
日本の平均年収くらいは稼げる
タクシー運転手は給料が安いと言われていますが、実際には日本の平均年収くらいは稼ぐことができます。
具体的には、平成30年度の日本の平均年収が441万円だったそうですが、2019年の私の年収が丁度それくらいでした。
もちろん、これは地域にもよるので一概には言えませんが、私の働いている大阪や東京などの大都市部では可能な数字だと思います。
特に東京ではもっと稼げるはずですが、生活に掛かるお金も高いですからね。
また、勤務形態を一番稼げると言われる夜勤に変更すれば、年収600万くらいは真面目にコツコツとやれば達成できる数字だと感じます。
ただ、夜勤をする場合にはその勤務の時間上、泥酔者の対応が増えることは覚悟しておかなければなりません。
まとめ
タクシーという職業が天国と感じるのは、
- 以前の職場が超絶ブラックだった
- 休みが多い
- 休みが取りやすい
- 自由度が高い
- 給料はそこそこ稼げる
以上の理由があると思う!って話でした。
最後になりますが、タクシーの仕事のキツさは、人によって全く違ってくるので一概には言えません。
例えば、月の給料が20万程度で良いのであればファミレスのアルバイトよりも楽をして稼げます。
しかし、月の給料が40万欲しいのであれば、その分疲労も凄い為、休みの日は寝て終わってしまい、休みが多いとは感じれないかもしれません。
世間のイメージはあまり良くない職業ですが、そこそこの給料で良いなら、タクシーという職業は天国になりえるのかもしれません!
最後までお読みいただきありがとうございます<m(__)m>